ドバイ政府は2020年までにブロックチェーン化

ドバイ政府は2020年までにブロックチェーン化

ドバイ政府が2020年をめどに政府の全資料・書類をブロックチェーン化する予定であることを明らかにした。すでにエストニアやグルジアなどではブロックチェーンを行政で活用する仕組みがスタートしていることは既に述べましたが、一大経済都市であるドバイがブロックチェーン化を目指すというのは世界的に影響を与える可能性が極めて高いと言えます。
これを皮切りに、先進諸国が次々と政治や行政のシステムをブロックチェーン化することになるかもしれません。

ドバイのハムダン・ビン・モハメド・ビン・ラーシド・アル・マクトゥーム皇太子が、政府の公文書を2020年までにすべてブロックチェーンを活用したシステムに移行し、管理する計画を10月4日に明らかにした。

計画は、ドバイ政府が主導しIoTを活用したスマート・ドバイ・イニシアティブの一貫で行われ、最終目的として他の都市にブロックチェーン・プラットフォームを提供することを掲げている。
ハムダン皇太子の声明によれば、ドバイのブロックチェーン戦略は「政府の効率化」「産業の創出」「国際的なリーダーシップ」の3本の矢の上に構築されている。スマートシティを推進する上では、都市部の経済活動を活性化するとともに、ドキュメントの管理を完全電子化することで行政の効率化を図る。

9月には世界で初めて全建物・施設を3Dプリンター技術で建設したオフィスをオープンさせるなど、資力と技術を最大限に生かした戦略で、世界屈指のブロックチェーン都市を実現させようという意気込みが伝わってくる。

すでにドバイはブロックチェーンを非金融分野への応用に着手していた

ドバイ政府による「ブロックチェーン都市化宣言」以前から、すでに非金融分野での応用が積極的に検討されていました。今年の2月、ブロックチェーン技術に焦点をあてた研究委員会を創設し、投資額は今後4年間で3000億ドルに達する見込みであることを明らかにしたのです。

ドバイ政府は今年4月、グローバル・ブロックチェーン・コンシル(GBC)を組成し、政府、民間企業による47のメンバーにまで拡大。GBCは現在までにヘルスレコード、遺言書、ダイヤモンド原石の取引におけるキンバリープロセスへの活用などを含めた7つのユースケースを公開している。今回のイニシアティブは、GBCの活動を後押しするものだ。

先日の「ブロックチェーン都市化宣言」は突然始まったものではありません。ドバイ政府は、ブロックチェーンの「改ざんに強い」「システムダウンに強い」「コストが安い」という特徴に目をつけ、非金融分野への応用を建設的に検討していました。

フューチャー・ファンデーションのサイフ・アル・アレーリCEOは、「未来を創造する世界の中心地を目指すドバイにとって、ブロックチェーンとGBCの存在は必要不可欠だ」と、ドバイの最新技術に対する熱意が一過性のものではないことを示した。

今月の発表でも、今年上半期に設立したGBCの存在がドバイのブロックチェーン化にとってなくてはならないことをつけ加えています。GBCはそれほど重要な存在だということでしょう。

GBCとは?

GBCとは?

GBCとは、ドバイの政府機関だけでなく、IBMやMicrosoftなど大手IT企業から選りすぐりのメンバーを集めたブロックチェーン技術研究委員会のこと。7つの非金融分野へのブロックチェーン技術の応用研究や新たな仮想通貨の開発などに着手しています。

GBCでのブロックチェーン技術の応用実験の対象は7つの分野

1.健康記録

2.ダイアモンド取引の安全管理
本日のプレゼンテーションで最も興味深かったのは、商品取引インフラストラクチャーの地区最大の提供者DMCCの事業開発部門取締役であるジェームス・バーナード氏による物だろう。

ここでは、バーナード氏はどの様に企業が、キンバリープロセス認証制度(Kimberley certificates)と、紛争ダイヤモンドの分散源を推定する為にUNによって2003年に紹介された実際の書類の転移と証明を、ブロックチェーン技術を用いてその他GBC会員とどのように共同で取り組むかを説明した。

3.財産所有権の転移

4.企業登録 
ビット・オアシス(BitOasis)のCEOであるオラ・ドウディン氏によって演説された事は、内部段階の向上をDMCCとの共同経営によって作り出す計画である。GBCの設立時に最初に公開された本試験は、市場のフレキシ・デスク計画の一環として能率化したID認証を通して、企業らが更に容易にDMCC取引システムへと乗る手段を想定した。

5.電子遺言書

6.観光契約

7.運送向上

「財産所有権の移転」「電子遺言書」はお金持ちの多いドバイならではの内容と言えますね。また、「企業登録」についても、外資系の流入の多いドバイの特徴と言えるでしょう。

ちなみに、、、観光分野ではこんなことも↓↓↓

ブロックチェーン+スマートコントラクトのポイントサービス「loyyal」

ブロックチェーン+スマートコントラクトのポイントサービス「loyyal」

この夏にLoyyalは「ドバイポイント」といって、観光地を訪れた人々にブロックチェーンとスマートコントラクトが適用されたポイントを付与するサービスを、ドバイ首長かつアラブ首長国連邦の副大統領兼首相のムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム氏承認のもとで展開するんだとか。
ドバイポイントは、旅行者のスマホとアプリを利用し、独自のライフスタイルならびに時刻、過去の行動、場所、年齢、その他のデータをもとに、参加した場所で動的にポイントを授与したり、ポイントを引換できます。それは、お客様の経験を通じて価値を提供し、顧客ロイヤリティを高めるというデータを利用した最新のマーケティングです。

上記のGBCの実験そのものではありませんが、ドバイのブロックチェーン化に積極的な首長の承認の元に始まった観光ポイントサービスは、このドバイの志向の影響を受けていると言っていいでしょう。

特に重要視されているのが「ダイヤモンド取引の安全管理」

皆様もご存知の通り、中東は今でも紛争の絶えない危険地帯でもあります。そして、同時に、ダイヤモンドや金は、そういったテロ組織の資金源として狙われやすい資産です。実はドバイを含めた資源国では、この取引の安全管理をいかに行うかが緊急かつ重要な課題となっていました。

永遠のテーマは「血塗られたダイヤモンド」

永遠のテーマは「血塗られたダイヤモンド」

「私たちが使っているスマートフォンやアクセサリーの中にも、実は血塗られたダイヤモンドがあるかもしれません」

そう表現しても過言ではないくらい、実はダイヤモンドはテロ組織に狙われることが多いのです。
これをきちんと安全に管理できない限り、紛争は地球上からなくならないのかもしれません。

豊富な鉱物資源に恵まれているものの、貧困、紛争、腐敗によって分裂している国々の悲劇が広範囲にわたって報告されています。武装勢力、犯罪組織、腐敗エリート、悪徳企業が鉱物取引を全て食い物にし、さまざまな違法および/または非倫理的行為によって、何年にもわたり発展途上国から巨額の富を奪っています。
結果的に、現地の人々が鉱物採掘から大きな利益を享受することは稀ですが、彼らが汚染、紛争、搾取という人権への影響を抱えて生きていかなければならないことは頻繁にあるのです。そのような状況の中で採掘された鉱物の多くが結果として有名な消費財となっており、それは宝飾品のダイヤモンドからスマートフォンのコルタンまで広くにわたります。
こうした紛争ダイヤモンドをグローバルな貴金属市場から排除することを目的として、国連の後援を受けながら活動を続ける団体「キンバリー・プロセス(Kimberley Process)」が、ブロックチェーンの利用に向かって動き出していることが明らかとなった。

 今年の初めには、技術革新の促進を目的とするドバイ・グローバル・ブロックチェーン・カウンシル(Dubai’s Global Blockchain Council)と共同で内部的な実証実験を行っていることが明らかにされていた。この報告は詳細なものではないが、今後数ヶ月のうちに更なる情報公開を約束しており、サプライチェーンの課題にブロックチェーン技術を応用することに引き続き関心を持っていることを強調している。
「キンバリー・プロセス事務局は同技術がもたらす利益について検証しており、ブロックチェーン技術を用いてキンバリー・プロセスの統計をモニタリングするパイロットプログラムに取り組んでいる。このプロジェクトに関する情報は2016年11月の総会で発表する予定だ」
 この取り組みでは、ダイヤモンドの合法性を証明するキンバリー・プロセスの証明書の偽造を防ごうとしている。現在のシステムには虚偽がまかり通っており、過去数十年の間に偽の証明書がダイヤモンドの販売詐欺を助長してきているという。そのため、改ざん困難な分散型台帳技術によって管理される完全にデジタルな証明書の導入により、そのような問題の緩和を期待する。

ブロックチェーンの強みの一つは「改ざんに強い」こと。この改ざんの強さが活かされれば、武装組織が搾取したダイヤモンドの流入を防ぐことが可能になると言えます。

金も同じ。血塗られたままドバイに流入

ダイヤモンドだけでなく、金も同じです。
ドバイは、世界の金の5分の1の取引が行われる国です。同時に、武装グループがアフリカの貧困国で搾取したゴールドが流入しやすい地域です。

不正な方法で、多くの経路を経て流入するため、その供給源を確認するのは困難なのですが、それでもドバイ国内のゴールドの取扱い企業はその供給源の確認を義務付けられています。

しかし、企業によってはこの確認を怠っています。なおかつ、監査会社もそれを見逃したりしてしまうことがあります。

ドバイ政府にとっては、これを放置すれば、「紛争ゴールドを歓迎する国」という汚名を着せられることになります。これはさすがに避けたい。

「なんとかして、この紛争ゴールドや紛争ダイヤモンドの流入を避けられないものか」。

これは、ドバイにとって、非常に重要なテーマなのです。

金は、一回とかしてしまえば、もう出所は分かりません。

しかし、ブロックチェーン技術の「改ざんへの強さ」を活かし、仮に溶かされてもその出所を突き止めることが出来たらどうでしょうか。


「たとえ1ミリグラムでも武装勢力が搾取したゴールドは我が国には入れさせない」

と宣言することができたなら、ドバイはその汚名を払拭することができるのです。

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鈴木まゆ子 / 4151 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


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こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。