米エヌビディア、マイニング関連売上の落ち込み発表直後に株価下落

アメリカに拠点を置く画像処理装置(GPU)メーカーのエヌビディアの株価が、第3四半期予測後に下落しました。
同社が仮想通貨マイニング関連のGPU売上をアナリスト予測よりも低く見積もったためです。

16日の発表資料によれば、

仮想通貨向けGPUの需要が後退したため今期中の収益貢献を見込まず、売上高の見通しが市場予想を下回った
8-10月の売上高は32億5000万ドル(約3600億円)の上下2%になる見通し

一方、ブルームバーグが集計したアナリスト予測は平均で33億5000万ドル。

同社の予測が予想以上に低いことから、

画像処理半導体(GPU)大手の米エヌビディアが16日に発表した2018年5~7月期決算は市場予想を上回ったが、慎重な業績見通しを受けて株価は時間外取引で下げた

仮想通貨マイニング向けGPUの8~10月期の売上高見通しを、ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は次のように述べています。

「基本的にはゼロ」

マイニング需要の急激な伸びによりGPU需要が急増した2017年

2017年、同社のGPU売上に仮想通貨マイニング需要は大きく貢献しました。
3カ月前に同社は、2-4月(第1四半期)のマイニング向け売上高が2億8900万ドルになったと説明していたほどです。

ビットコインなどの仮想通貨のマイニングはグラフィックス用半導体の需要急増に寄与していた。
このタイプの半導体は複数の細かい計算を同時にこなすのに優れており、マイニングに適した能力を持つ。

マイニング需要の急激な増加によりグラフィックス用半導体が供給不足に。

価格は、主要産業のゲーム向けの製品で上昇するようになりました。

しかし、第2四半期から売り上げは激減。

エヌビディアは5-7月(第2四半期)に仮想通貨マイニング向け半導体売上高を約1億ドルと予想していたが、実際には1800万ドルにとどまった。
同社は将来的にこうした顧客からの収入がなくなると見込んでいる。

仮想通貨マイニングの今後の需要見通しは”悲観的”

マイニング関連事業を行っているところは、おおよそ、今後のマイニング関連需要については悲観的です。

今回、エヌビディアの悲観予測が初めて株価暴落に影響を与えましたが、この悲観予測はすでに表れていて、好調な業績であっても、業界関係者はある程度予見はしていた模様。

もう一社のGPUメーカーであるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)。
同社はマイニングブームの影響で株価が6月には30%増となっていた模様。

しかし、アナリストは同社の今後の見通しについて、当時次のようにコメントしていました。

仮想通貨の強い成長力は、その市場に数年分遅れて勢いをつけようとしているデスクトップおよびサーバー・マイクロプロセッサーのゆっくりと着実な進歩を、ある程度埋め合わせなければならない。
もしも仮想通貨の勢いが弱まるようなことがあれば、これがプロセッサービジネスの障壁をさらに高めることになるだろう

需要が増えて供給量が増加すれば、当然かかるコストも高くなります。

しかし、需要はいつ落ち込むか、適切にタイミングを予測することは不可能。
そして、供給をそれに合わせて完璧に調整することも困難です。

予測の難しいマイニング需要に、メーカー側は当分振り回されることになるのか。

それとも、もしかしたら、エヌビディアのように、「マイニング以外」の売上に重点を置くようになるのかもしれません。

また、今回の発表は、先日お伝えした「ビットメインの焦り」にある程度信ぴょう性をもたらすものとなったように感じます▼

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 9241 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。